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法事は何回忌まで?法要との違いや宗派による違い、法事前後ですべきことを解説

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法事や法要は日常でよく耳にする言葉です。

しかし、両者は厳密には異なるものです。

何回かあることは知っていても、いつまで法要をおこなう必要があるのかわからないこともあるでしょう。この記事では、法事と法要の目的や違いについて解説します。

そもそも法事とは?

法事と法要の意味と、違いを説明します。

法事とは

法事は仏教の行事で、法要のあとにおこなわれる会食(お斎)を含めたものをいいます。

仏教行事全般を指している場合は、お盆やお彼岸なども含みます。

法要との違い

法要は法事の一部で、僧侶の読経や参列者の焼香などの一連の儀式です。

忌日(亡くなった日)から7日ごとに四十九日までおこなう忌日法要と、年単位の年忌法要があります。

年忌法要は一周忌のあとは三回忌、七回忌、十三回忌と続きます。

法要は追善供養の1つで、故人に対しておこなう善行となります。

生きている方が善行を積むことで、故人が成仏できるとする考え方に基づきます。

法事は何回忌まで?

宗派や地域、個人の考え方などにもよりますが、一般的に三十三回忌を「弔い上げ」(年忌止め)として法事(法要)を終えることが多いです。

弔い上げとは、故人が極楽浄土へ往生したと考える法事(法要)の区切りです。

弔う人の高齢化などで弔い上げを早くおこないたい場合は、菩提寺に相談し、家族や親戚の了承を得て進めましょう。

宗派によって異なる法事(法要)

宗派によって異なる弔い上げの概念の有無や、タイミングについて解説します。

真言宗

真言宗の法事(法要)は五十回忌までは順番通りおこなわれ、そのあとは百回忌になります。

通常の弔い上げは三十三回忌です。

場合によっては五十回忌や、百回忌までおこなうこともあります。

曹洞宗

曹洞宗も三十三回忌が弔い上げです。

二十三回忌と二十七回忌を二十五回忌として、まとめておこなうこともあります。

三十三回忌のあとは五十回忌となり、それ以降も法事(法要)をおこなう場合は50年ごととなります。

浄土真宗

浄土真宗では人は死後すぐに極楽浄土へ行くと考えるため、弔い上げという概念がありません。

法事(法要)は他の宗派と同じく三十三回忌までおこないますが、故人の成仏のためではなく、成仏に導いてくれる阿弥陀仏への信心のためです。

臨済宗と日蓮宗

臨済宗は、地域や寺院によって弔い上げのタイミングが異なります。

二十三回忌と二十七回忌をまとめて二十五回忌をおこなったうえで、三十三回忌で弔い上げをすることが一般的です。

そのあとも法事(法要)をする場合は五十回忌となり、その後は50年ごととなります。

日蓮宗も臨済宗と同様で、通常は三十三回忌まで法事(法要)をおこないます。

ただし、故人は忌明け(四十九日の法要が終わるまで)とともに成仏していると捉えるため、弔い上げという概念はありません。

神道

神道では故人は家族や子孫の守護神になると考え、1年、3年などの節目に式年祭とわれる儀式をおこないます。

神道では弔い上げを「まつりあげ」と言い、一般的には五十年祭ですが、近年は二十祭や三十年祭とする場合もあります。

キリスト教

弔い上げは仏教の言葉であり、キリスト教には使いません。

法事(法要)の代わりにカトリックでは追悼ミサが、プロテスタントでは記念の集いが開かれます。

追悼ミサは命日の3日後、7日後、30日後におこなわれます。

1年後には追悼ミサの1つである「死者記念ミサ」が盛大におこなわれますが、それ以後はおこなわれない場合もあります。

記念の集いは命日の3日後、10日後、30日後におこなわれます。

その後は1年後、3年後、7年後です。

キリスト教では死は祝福されるべきことと考えられており儀式の概念自体が異なるため、弔い上げのような明確な区切りはありません。

法事(法要)の事前準備

法事(法要)は、まず日時を決めることから始めます。

命日におこなうのが理想ですが、平日は難しいため、参列者が集まりやすい命日の直前の土日や祝日を選ぶことが多くなるでしょう。

命日のあとの法事(法要)は縁起が悪いとされます。

招待する参列者も施主が決めます。

四十九日や一周忌までは、親族以外にも故人と親しかった友人などを招待することもあります。

招待する範囲は決まっていないので施主が選びますが、葬儀に出席していた親族には声をかける方が無難です。

近年では、三回忌からは故人の配偶者や子供のみでおこなう場合も多いです。

三回忌をおこなわないこともあり、何回忌までおこなうかは施主の考え方次第となります。

大規模な法事(法要)で案内状を出す場合は準備が必要ですが、 近親者のみの場合は電話やメールでの連絡でも問題ありません。

食事は基本的に菩提寺の僧侶に依頼し手配をしますが、 自宅でおこなう場合は仕出し料理などを注文することが多くなります。

お寺の本堂でおこなう場合は、お寺の近くのレストランなどを予約します。 お供物料を持参した方に渡すお返しは消えてなくなるものがよく、お茶やお菓子、消耗品が定番です。

三十三回忌(弔い上げ)が済んだら

弔い上げが終わったら次のことをおこないます。

位牌の片付け

弔い上げが終わると故人は先祖の霊として祭ることになるため、故人の戒名が書かれた位牌はお寺でお焚き上げをしてもらうのが一般的です。

位牌の扱いやお焚き上げについては地域によって考え方が異なる場合があるため、寺院に相談するとよいでしょう。

永代供養の手続き

永代供養を依頼するとお墓をお寺や寺院に管理、供養してもらえます。

永代供養は先祖代々のお墓でしてもらうことも、遺骨を合同墓に合祀して供養してもらうこともできます。

合同墓の場合は遺骨を一度お墓に納めると、他の人の遺骨と混じって故人のものだけを取り出すことができなくなるため注意が必要です。

法事(法要)のマナー

法事(法要)のマナーは葬儀ほど厳格ではありませんが、次のことを考慮しましょう。

服装

法事(法要)の服装は、一般的に喪服が適しています。

正喪服は喪主や近親者が着用するので、招待された場合は準喪服での出席となります。

準喪服は、ブラックスーツやブラックフォーマルの通常の喪服です。

3回忌以降なら黒スーツなどの略喪服でも問題ありませんが、念のために事前に確認するとよいでしょう。

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持ち物

法事(法要)の持ち物は数珠や供物、またはお供物料です。

供物には線香や果物、生花などが適しています。

供物の代わりにお供物料を渡す場合は、3,000円から5,000円ほどが相場で、葬儀の際の香典の5割から7割が目安となります。

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まとめ

法事(法要)は、故人を偲んで読経や焼香をおこなう仏教の儀式で、後の会食も含めた行事を法事といいます。

法事(法要)には忌日法要と年忌法要があります。

最後の年忌法要を弔い上げと呼び、宗派によって異なりますが多くの場合三十三回忌を区切りとします。

四十九日や一周忌の法事(法要)は、親戚や故人と親しかった方などを招いて営みます。

三回忌以降は家族だけの場合や、おこなわない場合もあります。

近年のライフスタイルや家族形態の変化によって、法事(法要)そのものが縮小傾向です。

三回忌の法事(法要)をおこなわないときは、トラブルを避けるため菩提寺に相談して了承を得ましょう。

こうした法事(法要)や葬儀を催すにはある程度まとまった費用が必要になります。自分の葬儀費用は自分自身で賄いたい方、自分が亡くなったあとに家族や親族に負担をかけたくない方には葬儀保険がおすすめです。

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