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袱紗(ふくさ)とは?葬式用の袱紗の種類や選び方、マナーなど徹底解説!

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結婚式やお葬式などのセレモニーや行事の際に、一つは持っておきたい袱紗(ふくさ)。

セレモニーの場で、ふさわしいマナーを知っている方は、しっかりしている・品があるという印象を与えます。

今回は袱紗の意味やマナー、葬式袱紗などについてまとめました。袱紗は色や包み方で利用するシーンが異なるので、社会人ならぜひ知識・マナーは身につけておきたいところです。将来後悔しないためにも、事前に知識をつけておきましょう。

袱紗(ふくさ)とは?

袱紗とは、ご祝儀や香典を包むのし袋や金封を包む布のことを指します。

古い時代、贈り物を届ける際は、汚れや日焼けから守るため風呂敷のようなもので包まれていました。

江戸時代以降になると、包むための布も立派な物になり、冠婚葬祭別のさまざまな模様が描かれたものが登場しました。

「袱紗の色柄を見れば贈り主の贈る相手への心が分かる」ともいわれ、現代でもその文化が日本の大切なマナーとして根付いています。

袱紗は色柄や質感も実に多様で、無地のものから豪華な刺繍入りのものまでさまざまな種類があります。

袱紗(ふくさ)の種類は?

袱紗は、色柄によってそれぞれ持つ意味が違います。

利用する際には、その利用シーンに適したものを使う必要があります。

ここからは、見た目の特徴と包む金額などを記載しているのでぜひ参考にしてください。

金封袱紗

金封袱紗はポケットのような形状になっていて、お金を包んだ封筒を入れて持ち歩けます。

片面に芯材のようなものが入っているので、ジャケットのポケットに入れても形くずれを起こす心配がなく、とても扱いやすい点が特徴です。

金封袱紗はその扱いやすさから若い方を中心に使われています。

ただし、右向きは慶事用、左向きは弔事用と開ける向きで、利用用途が分かれているので注意しましょう。

金封袱紗で包む金額の目安は3万円未満です。

爪付き袱紗

袱紗のなかで、最も一般的なタイプが爪付き袱紗です。

風呂敷のような正方形の形状になっていて、四隅に房がついています。

金封袱紗と違い、長時間持ち運ぶと包みが崩れてしまう可能性があります。

爪付き袱紗で包む金額の目安は3万円以上です。

台付き袱紗

袱紗のなかでも使いやすいのが台付き袱紗です。

簡易の切手盆(祝儀盆)と袱紗がセットになっているので、お布施などを台にのせたまま渡せます。

袱紗の中に台があるので、持ち運ぶ際に折れ曲がるという心配がないのが特徴です。

台付き袱紗で包む金額の目安は3万円以上です。

風呂敷袱紗

風呂敷同様に正方形の布を用いた袱紗です。

袱紗用のため、大きさは風呂敷よりも小さくなっていて、一辺が45センチ程度です。

風呂敷袱紗で包む金額の目安は3万円以上です。

掛け袱紗

結納やお祝いを持参する際、広蓋・切手盆などにかけて使用する袱紗です。

四隅に房の付いているデザインになっています。

一説に掛け袱紗の起源は、道中の日よけなどとして贈り物に着物の袂をかけたことからと言われています。

掛け袱紗は結納などの特別な行事以外には、あまり使用しません。

掛け袱紗で包む金額の目安は3万円以上です。

袱紗(ふくさ)の選び方

袱紗には、弔事用と慶事用があり、それぞれ適した色があります。

以下では、慶事と弔事の各場面毎の適色をご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

弔事用(葬式用)の袱紗の選び方

お葬式のようなお悔やみの席では、「悲しみの気持ちを表現する」という意味合いで寒色系を使用します。

適色の例:黒、グレー、紺、深緑、灰緑、うぐいす、灰青、紫

慶事用(お祝い用)の袱紗の選び方

結婚式などのおめでたい席では、「お祝いの気持ちを表す」という意味合いで暖色系を使用します。

適色の例:ピンク、オレンジ、赤、藤、えんじ、金、ローズ、紫

迷う場合は、明るい暖色系の色は慶事に、落ち着いた寒色系の色は弔事に使うと覚えておきましょう。

例外としては、「紫は昔から最も高貴な色」とされ、慶弔どちらにも使えるので、紫の袱紗を一つ用意しておくのがおすすめです。

葬式での袱紗(ふくさ)の包み方

それでは実際に袱紗を使用する際の包み方について、袱紗の種類別に包み方を解説します。

袱紗の包み方での一番大きなポイントは、弔事と慶事では包み方が異なるという点です。

袱紗の色は合っていても、包み方が違ったということにならないように注意しましょう。

弔事用(葬式用)の袱紗の包み方

1:香典袋を袱紗の中央よりやや右のほうへ寄せておく

2:右を中に折り込む

3:下を畳み、次に上を畳む

4:左を折って裏へ折り返す

【金封袱紗の包み方】

弔事では袱紗を左開きに使います。

開きが左側にくるようにし、香典を挟む部分を向かって右側に置き、香典を挟んで閉じます。

【爪付き袱紗の包み方】

袱紗の裏面を上にし、ひし形になるように広げ、爪があるほうを左側にし、袱紗の中心より少し右側に香典をおきます。

右側、下側、上側の順番に角から香典袋の方向に折り、最後に左側を折り裏返して爪を指し、閉じます。

【台付き袱紗の包み方】

台付き袱紗は片面ずつで色が違い、1枚で慶事と弔事に対応できます。弔事では寒色系の面を上にし、中身に沿わせるように袱紗の右側を畳みます。

次に下、上、左の順に畳みます。右にはみ出た部分を下に折り込みます。

【風呂敷袱紗の包み方】

弔事と慶事で左右の開き方が異なります。

弔事は左開き、慶事は右開きです。

風呂敷の裏面を向けて、真ん中に香典袋を置きます。右側から真ん中へ向かって包み、下、上、左の順で畳んで余った部分は裏側へ折り込みます。

【掛け袱紗の包み方】

広蓋や切手盆の上に、お布施袋や香典袋をのせ、その上からかけて使います。

慶事用(お祝い用)の袱紗の包み方

1:祝儀袋を袱紗の中央よりやや左の方へ寄せておく

2:左を中に折り込む

3:上をたたみ、次に下を畳む

4:右を折って裏へ折り返す

【金封袱紗の包み方】

弔事と逆になり、右開きに使います。

【爪付き袱紗の包み方】

弔事と逆になり、左側から包み始めます。

【台付き袱紗の包み方】

慶事では暖色系の面を上にして、手順は弔事と同様です。

【風呂敷袱紗の包み方】

弔事と逆になり、左側から真ん中へ向かって包み始めます。

【掛け袱紗の包み方】

弔事の際と同じ手順です。

下記に関連記事のリンクを設置しているので、ぜひ参考にしてください。

香典の包み方とは?中袋がない場合の包み方や注意点を解説

葬式における袱紗(ふくさ)から香典を取り出す際のマナー

お葬式に参列した際に、袱紗から香典を取り出し渡すまでの一連の流れは以下のとおりです。

なお、香典は葬式場へ到着し、受付をする際に渡すのが一般的です。

1:芳名帳に指名と住所を書き、受付の方へ香典を渡すする。

2:袱紗から香典を出して、袱紗を座布団のように敷くようにして香典を出す。

3:両手で香典を持ち、表書きが受付の方に向くように出す。

この際に香典を渡しながら、お悔やみの言葉を伝えます。

受付の方が葬儀社スタッフの場合もありますが、その場合も慣習に則って伝えるようにしましょう。

下記に関連記事のリンクを設置しているので、ぜひ参考にしてください。

香典の正しい渡し方とは?渡すタイミングや場面別の渡し方を解説

袱紗(ふくさ)に関する注意点

袱紗の購入場所

袱紗は下記のような場所で購入できます。

うっかり持ってくるのを忘れてしまった、手元になかったというときにも、コンビニなどで購入できます。

・百貨店の仏具屋

・フォーマル服店

・ホームセンター

・100均

・コンビニ

・ショッピングセンター

・ネットショップ

袱紗を用意できなかったとき

どうしても袱紗が用意できなかったというときには、ハンカチやスカーフなどで代用することが可能です。

ただ、その際にもハンカチはしわがないものを使い、色や柄も極力避ける(無地のものが好ましい)ようにします。

まとめ

結婚式などの慶事やお葬式などの弔事に使用する袱紗の特徴やマナーについて紹介してきました。

袱紗は色や包み方のパターンなどいろいろな特徴があり一見難しそうに感じますが、それぞれ1つずつ持っておけば一生使えます。

また事前に準備して、渡し方についてもマスターしておくことで、当日安心して参列できます。

袱紗をお持ちでない方は、この機会に購入を検討されてみてはいかがでしょうか。