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《五色旗》|ベル少短 かわら版 VOL.35

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《五色旗》

神前に供える五色旗は、上棟祭や鯉のぼりに使用される吹き流しの色と同じで、魔除けの色です。

この魔除けの色は古代中国の五行説(ごぎょうせつ)に由来しております。

現世をなす大事な要素と考えられる五元素の「木・火・土・金・水」は方位や季節、時間、十二支、惑星、人体の内臓などの他に色彩をも現します。

・五行説における五色の意味及び季節(旧暦)、方位の関係

「木」⇒青=春(1・2・3月)=東

「火」⇒赤=夏(4・5・6月)=南

「土」⇒黄(最も尊い色)=土用/季節の終わり18日間=中央

「金」⇒白=秋(7・8・9月)=西

「水」⇒黒=冬(10・11・12月)=北

神社の殿内装飾として用いられる四神旗(しじんき)に描かれている四方位の霊獣(神)も、尊い中央を除いて「東=青龍」「南=朱雀」「西=白虎」「北=玄武」となっていますが、神社で用いる五色旗は黒の代わりに紫が使われています。

五行説の基本は相生(そうじょう/互いを生み出し伸ばし合う)と相剋(そうこく/互いに制し滅し合う)の作用があります。

木は火を、火は土を、土は金を、金は水を、水は木を生み、逆に木は土を、土は水を、水は火を、火は金を、金は木を制するとされ、ヨーロッパ伝説の旅人の服を脱がそうとした太陽と北風の話と良く似ています。

また五行説と言葉に「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」という季節を示す言葉があります。

青い春、赤い夏、白い秋、暗い冬という意味です。

青い春は「青色」が未熟さを感じさせる色であり、「春」が若々しい時期を感じさせる季節に使われます。

そこから日本では「青春」という言葉が生まれました。

ちなみに冬だけ色ではないと思われますが、「玄」(げん)には「玄人=くろうと」というように黒を表しているのです。