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死亡届は誰がどこに提出する?書き方や注意点を徹底解説!

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家族や同居人など身近な方が亡くなったとき、悲しくて何も手につかないかもしれませんが、やるべき手続きがたくさんあります。

滅多におこなうことではないので、やり方がわからず困惑する方もいるでしょう。
手続きに戸惑っていると葬儀がスムーズにおこなえないなど、さまざまなリスクがあります。

そこで、故人の死後におこなう手続きの一つである死亡届について、書き方や注意点について説明します。

死亡届とは

死亡届の入手場所

亡くなった先が病院だった場合は、死亡届けは死亡診断書と一緒に病院側から渡されます。

死亡診断書には担当の医師が死亡原因や手術の有無、サインが書かれてあり、そのまま市区町村に提出します。

病気ではなく、事故や事件で亡くなった場合は、死亡届は警察署で受け取るのが通常です。
病院の死亡診断書とは異なり、死体の所有所見や検案した医師の名前などが記載された死体検案書と一緒に渡されます。

また、故人の本籍地や所在地の市役所または区役所、町役場でももらうことが可能です。

最近では、ホームページから死亡届の様式をダウンロードできる役所も増えています。
自身と亡くなった方の所在地が遠く手続きをおこなうに時間がない方でも事前に書類が手元に入るため、すぐに提出しやすいです。

故人が亡くなってから死亡届を提出するまでの流れ

医者から死亡が確認されてから、医者や警察署、市役所等で死亡届けやその他の書類を受け取ります。
受け取り後は、死亡届に必要事項を記載するのが必要です。必要事項に記載してから市役所や区役所、町役場で書類を提出します。

その際、病院や警察署から渡された死亡診断書または死体検案書と一緒に提出しなければいけません。
必要書類がすべて揃っていない場合は、受理されないので注意してください。

また、提出先は自身の所在地ではなく、故人の本籍地または所在地の市町村になります。

死亡届の提出ルール

死亡届の届出人

死亡届を提出できる人は、基本的に家族か同居人です。
忙しく提出に行けないからと家族や同居人以外が提出すると受け付けてもらえない可能性が高いです。

提出期限に間に合わせるためにも、家族または同居人自らが手続きするのが大切です。

しかし、家族か同居人による提出が困難な場合があるでしょう。
故人の家族がいなかったり親族との連絡がつかない、また拒否されているなどの可能性があります。

その場合には、大家さんや亡くなった病院の病院長等、公設所の長が代理の届け人として手続きします。

死亡届の提出先

死亡届は決められた場所に提出するのが必要です。
基本的に、故人の本籍地や亡くなった場所の市役所や区役所、町役場で提出しなければいけません。

しかし、故人の本籍地が分からない場合や本籍地から遠くてなかなか行けない方もいるでしょう。
どうしても手続きに行けない方は、所在地にある役所への提出も可能です。

戸籍法第25条第1項にも記載してあり、事情を話すと受理してくれる自治体もあります。

死亡届の提出は、自治体によって異なるので、届出先の市区町村に問い合わせてみるのが確実です。

死亡届の提出期限

死亡届の提出期限は、亡くなってから7日以内です。亡くなったのを確認した日からで、故人の本籍地から離れて暮らしている方でも必ず7日以内の提出が必要です。

また、国外で死亡があった場合は、その事実を知った日から3ヵ月以内になります。
提出期限は「死亡した日」ではなく「死亡事実を知った日」から数えます。

7日以降にも提出は可能ですが、火葬ができなかったり罰則が課せられる等のさまざまなリスクが考えられます。

なかには罪に問われる危険性もあるため、注意しましょう。もし7日目が役所の閉庁日なら、翌開庁日でも可能です。

死亡届提出時に必要なもの

役所に死亡届を提出するためには、届け人の記載がある死亡届の他にも必要な書類があります。

死亡届と一緒に渡される「死亡診断書や死体検案書」です。
病院や警察署でもらうので、提出するまで必ず死亡届と一緒に保管しましょう。

故人の「身分証明書」も必要です。
故人のマイナンバーカードや運転免許証、パスポート等が身分証明書になります。

令和3年9月に戸籍法の改正があり、死亡届の押印は廃止(任意)となりましたが、念のため「印鑑(認め印)」もあるといいかもしれません。

その他必要なものがないか提出先の役所のホームページなどで持ち物を確認して役所へ届出をおこないましょう。

死亡届の書き方

死亡届の主な記載項目

死亡届には、届け人が記入する項目があります。
基本的には、故人の氏名や生年月日、性別等の個人情報になります。

書き方は、戸籍上の漢字で正しく記入しましょう。故人の住所や職業、また配偶者や世帯主も正確に書きましょう。

また、死亡した日時や場所も死亡診断書等を見ながら記載します。実際に提出する届け人の名前や住所、本籍の記載欄もあります。

万が一間違えて記入した場合、誤字の上に二重線を引いて、その上に捺印をしてから修正してください。

死亡届を記入する際にはペンの種類にも気をつけなければいけません。水性インクや万年筆ではなく、消えにくいボールペンを必ず使ってください。

(法務省:死亡届 https://www.moj.go.jp/content/000011718.pdf

死亡届に関する注意点

提出した原本は返却されない

原則、提出した死亡届の原本は返却されません。
提出前に10枚程度コピーを取っておくと役に立ちます。

役所で再請求をする場合は「死亡届の記載事項証明書」を1通350円で請求ができます。

また、「死亡診断書」の再請求は3,000円~1万円と医療機関によって金額が異なります。
生命保険や損害保険の死亡保険金の請求手続きや銀行口座の名義変更などはコピーで手続きができるので、多めにコピーしておくとよいでしょう。

また、死亡届を提出すると戸籍などに「死亡」と記載されます。
記載まで1週間程度かかるため、「死亡」と記載された書類が必要な場合は注意が必要です。

死亡届の種類と流れ

通常の死亡届の場合

通常、自宅で亡くなったときや病院で亡くなったらまず医師の診断を受けます。
医師に亡くなったことを確認してもらってから死亡届が渡されます。

自宅で急死したりかかりつけ医がいない場合は、警察に電話をして警察医や監察医による検視がおこなわれ、亡くなっているのを確認してから死体検案書が発行されます。

病気で亡くなったり事件性がない場合は医師の診断だけのケースもありますが、事件性がある場合には警察医による検診をしてから発行になります。

死産の場合

残念ながらお母さんのお腹の中にいた赤ちゃんが亡くなったときにも死亡届が必要な場合があります。

妊娠12週未満では、流産になるため死亡届はいりません。
しかし、12週からは死産の扱いとなり、死亡届も提出します。

また、中絶も同様です。12週から22週未満では、病院で赤ちゃんが亡くなったのを確認し、死産届と死産証書または死胎検案書が渡されます。
書類に記載し役所に提出します。

22週以降では、亡くなった方法によって異なります。
母胎内で亡くなった際には死産届を、出生後に赤ちゃんが亡くなった場合は死亡届です。

そのため、出産後に亡くなると出生届の届け出を出してから死亡届を出します。

ペットが亡くなった場合

愛犬などのペットが亡くなったときも死亡届が必要です。
犬の他にも、虎やワニなど人間に危害を加える可能性のある動物は死亡届が必要な場合も多いため、各自治体に確認するとよいでしょう。

なかには、届け出を出さなくてもよい種類のペットもいます。
猫や小鳥、小動物の死亡届は必要ありません。

ペットの場合、亡くなってから30日以内が提出期限です。

また、提出するためにはペットとして登録したときに受け取った犬鑑札と狂犬病予防注射済票等が必要です。

また、提出先は登録をおこなった自治体になります。

死亡届を提出しなかった場合

死亡届を7日以降の提出または提出をしなかった場合、さまざまなリスクが挙げられます。

リスクの一つとして、葬儀を進めることができません。火葬は死亡届を提出してから許可が出ます。
そのため死亡届の提出を怠ると、いつまでも火葬できず葬儀も進められません。

また、死亡届の未提出は罰則が課せられる可能性もあります。亡くなった方は、介護保険の資格喪失届や年金受給の停止、相続の手続きが必要です。

手続きをしないと、亡くなってからも年金を不正受給していることになるため、国民年金法第111条により3年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。

また、悪質な不正受給と判断された場合は、10年以下の懲役という詐欺罪にあたるので注意しなければいけません。

死亡届の他に必要な手続き

故人が亡くなったあとは、死亡届だけでなく、さまざまな手続きがあります。
タイミングによってスムーズに手続きできない場合もあるため、事前に確認して準備をしておきましょう。

社会保険の資格喪失届

故人が亡くなったあと、社会保険の資格が喪失します。主に健康保険、厚生年金、介護保険などの喪失届を出す必要があります。

原則、社会保険の資格喪失は故人が勤めていた会社側で手続きをおこなうため届け人が手続きをしなくてもよいです。

ただし、会社に給付金の請求書や故人の保険証などを提出しなければいけません。

世帯主の変更届

故人が世帯主だった場合、亡くなってから14日以内に世帯主変更の手続きをおこなう必要があります。

例えば夫が亡くなった場合、妻か子どもたちが世帯主となります。
ただし、故人が一人暮らしだったならば、変更は不要です。世帯主変更届や届け人の身分証明書、印鑑が必要です。

また加入しているのなら国民健康保険の被保険者証も提出します。提出先は、現在居住地の役所です。

年金の資格喪失届

故人が年金を受け取っていたのなら、年金の資格喪失の手続きもします。
手続きをしなければ不正受給と見なされ、罰金を支払ったり罪に問われるため早急におこないましょう。

亡くなってから14日以内に国民年金の資格喪失届を提出します。
ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は年金受給権者死亡届を省略できます。

手続きには、亡くなった方の年金証書と住民票除票や死亡診断書など亡くなったことが確認できる書類が必要です。

公共サービスの名義変更

電気やガス、不動産など故人名義だった公共サービスは変更する必要があります。
名義を変更しなければ、亡くなった方の口座が凍結して料金が支払えない事態になるからです。

また、故人名義の公共サービスを使わない場合には、解約をおこないます。
名義変更や解約の仕方は会社ごとに異なるためホームページなどで確認しましょう。

基本的には、亡くなったあとに利用している会社に電話すると、手続きの流れを教えてもらえます。

まとめ

今回は、死亡届の書き方や注意点についてまとめました。

死亡届は書き方や提出方法を正しくおこなわなければ、期限に間に合わずトラブルになりかねません。

また、死亡届以外にもさまざまな手続があるため、忘れないようにしましょう。
何をする必要があるのか順序と項目をメモすることで、すべての手続きをスムーズにおこなうことができ、故人とゆっくり向き合うことができるのではないでしょうか。