コラムColumn

《仏旗》|ベル少短 かわら版 VOL.38

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《仏旗》

仏旗は仏さまの旗であり、青・黄・赤・白・橙(だいだい)の五色で構成された仏教のシンボルです。

仏旗の歴史は比較的新しく、アメリカの軍人であり仏教徒でもあったヘンリー・オルコット氏が1882年(明治15年)に考案したもので、1950年(昭和25年)スリランカのコロンボで開催された第一回世界仏教徒会議で法輪と共に仏教徒の旗として正式に認められました。

この五色には、お釈迦様が12月8日に悟りを開かれた時、五色の光明が輝いたという故事とお釈迦様の説かれた教えと理想が表されています。

《五色の意味》

青色→お釈迦様の髪の色を表し、仏・法・僧の「三宝」に帰依する心です。
   その教えを守ることにより、力強く生きぬこうとする力「定根」を意味します。

黄色→お釈迦様の肌の色を表します。
   東洋人は黄色人種です、黄色は正しい判断力である「智慧」のシンボルと
   同時に打ち破られることのない「金剛心」を意味します。

赤色→お釈迦様の血の色を表し、「慈悲心」と「情熱」をもって常に善行に努め
   励もうとする「精進」を意味します。

白色→お釈迦様の「清浄心」を表し、泥の中の蓮華にも似た清らかな心をいいます。

橙色→お釈迦様の着用された袈裟の色で橙色は様々な苦に耐えて、ひたすら目標に
   向かって前進する「忍耐力」を意味します。

◎縦五色の他に、もう一組の小さな横五色が組み合わされているのは、前述した五つの精神(心)を私達は常に、いつでもどこでも心の中に保持し、実践する事に依り、初めて悟りへの道を歩みだせることを強調しています。

「仏教徒の旗」略して「仏旗」が六金色旗(ろっこんしょくき)と呼ばれるのはこの組み合わせに依るものです。

《引導を渡す》

国語辞典によれば「最終的な宣告をしてあきらめさせることの意」とありますが、本来は仏教用語で、「人を導いて仏道に引き入れる」ということです。

後に、それが転じて、葬儀のときに僧侶が死者に法語を聞かせ、「仏の国(浄土)に行くよういい渡す」ことを意味するようになり、さらに、今日の意味となりました。

ちなみの仏教の宗派のひとつである浄土真宗には引導作法はございません。
※「引導作法」とは亡くなった方に対して僧侶が行う作法のこと