コラムColumn

《地獄》|ベル少短 かわら版 VOL.32

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《地獄》

地獄とは六道の一つ、罪悪を犯した人が死後、苦痛にあうといわれる所です。

大きな事故や災害があったとき、「現場は阿鼻叫喚の巷と化した」といった表現が使われます。

「阿鼻」は阿鼻地獄であり、「叫喚」も叫喚地獄で、いずれも地獄の名称です。

事故や災害で死んだ人の死体が散乱し、怪我をして助けを求める人々の苦しみや泣き叫ぶ声が、まるで地獄のありさまであるところから、このような表現が使われているのかもしれません。

仏教においては、八大熱地獄といって、八つの地獄があると考えられています。

等活(とうかつ)地獄、黒縄(こくじょう)地獄  衆合(しゅごう)地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄、阿鼻地獄の八つです。

ところで、阿鼻地獄の“阿鼻”ですが、これはサンスクリット語の“アヴィーチ”を音訳したもので、「間がない」という意味です。

阿鼻地獄のことが無間(むけん)地獄とも呼ばれる所以です。 よく、むげんじごくという言葉を聞きますが、本来は“むけんじごく”が正しい言葉です。

《散歩》

「散歩」は奈良時代では医学用語として使用されていました。

鑑真が来日したおり持参したと伝えられている薬物の五石散がその由来だそうで、この薬は正倉院に収められ現存しています。

五石散は虚弱体質を改善する薬でこれが効き始めると散発といって体が温まり薬毒を発散するといわれています。

散発を早めて薬毒を体にこもらせないために、薬を飲ませた患者を歩かせて治療することを散歩といったそうです。

鑑真は戒律を修める根本道場として唐招提寺を開き律宗の開祖として布教につとめる傍ら日本の仏教や文化に大きな影響を与えました。

今でも散歩は健康に良いといわれる理由がわかるような気がしますね。

鑑真→688~763(持統2~天平宝字7)唐の揚州江陽県の生まれ、14歳のとき出家。 来日を決意しながら五度も失敗、六度目に成功したときは六七歳、すでに失明していたが、東大寺に入り日本仏教初の戒壇院(戒律)を設けた。